カリンバを始めて4か月、念願のDUALカリンバを購入しましたが、少々不具合(個体差?)がある個体でした。
不具合とは、高音のF(5・)のサスティーン(音の伸び)が極端に短い、高音のF(5・)とE(4・)にたまにビズ音(ビビリ音)が入る、というもの。
※ビズ音とは、弾いたときにビリビリという金属の振動音のような雑音が入ること
ピックアップ機能を使ってイヤホンで聴く分には不具合は感じられませんが、生音で演奏すると上に書いたような不具合が出てしまいます。
「DUALカリンバは最高音が響きにくい」というのは知っていましたが、それ以外の点で個体差があるとは考えもしませんでした。
DUALカリンバと言えば、通常3,000円~7,000円の価格帯が多いカリンバの中で、1万5,000円を超える高級なカリンバです。
価格が高い分、カリンバの音を拾ってスピーカー等に出力する「ピックアップ機能」が本体ボディに備わっています。
清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったDUALカリンバだったので、不具合にそれはそれはショックを受けました。
「なんとか改善できないか」いろいろと試行錯誤をしてみたので、その過程について書いていきます。
結論、木製ボディとピックアップ機械部分との接合部が安定していない(しっかり密着していない?)ようで、弾く前にボディと機械部分を圧着させるイメージで軽く押さえると多少改善することが分かりました。
試行錯誤1 リボンパッチン
カリンバのサスティーンを改善する方法をググってみたところ、こちらの動画を発見。
サスティーンが短いキーと横棒が接している部分に細いリボンを通すという方法です。
実際に試してみての注意点ですが、ほつれやすいリボンは絶対に使ってはいけません。
通すときにほつれて繊維が挟まってしまいます。
私は子ども帽子のあご紐に使うゴム紐を使用しました。4mm程度の幅のものです。
リボンよりも厚みがありますが、引っ張って伸ばしてやれば通りました。
ただ、私のカリンバの場合はこの方法では改善しませんでした。
試行錯誤2 キーを左右にずらして汚れを取り除く
リボンパッチンの目的は「キーと横棒が接している部分の錆びや汚れを取り除くこと」だと考え、キーを左右にずらして、接している部分を布やティッシュで拭いてみました。
細かい部分なのでハッキリとは見えなかったですが、少し黒い汚れがついているような…?
お掃除してみてわずかに改善したように感じましたが、気のせいだったようで、次の試行錯誤に移ります。
作業しながら、改善されたように感じる場面が何度かありました。
結論で書いたとおり、ボディと機械部分の接合状態が作業の中で変動し、圧着されたときに音が改善したように聞こえていたのだと、後から気づきます。
試行錯誤3 キーを上下に大きく動かして、元に戻す
次に試してみたのは、チューニングハンマーを使ってキーを上下どちらかに1~2cmずらして、また元の位置に戻すというもの。
これまで試してきた内容と目的は同じだと思いましたが、とりあえずやってみました。
が、効果はみられませんでした。
試行錯誤4 キー上部を押さえて弾いてみる
カリンバ修理の動画を見漁っていたときに、カリンバの上部を消しゴムか何かで押さえてビズ音を消すというのを見つけました。
確かに、押さえることで余分な振動がなくなり改善するかも!?
と考えて、片手の親指で上部を押さえながら、もう片方の親指で弾いてみることに。
すると、サスティーンがかなり伸び、ビズ音も改善。
これだ!!と思い、家で余っている消しゴムを探してきて、輪ゴムで仮止めしてみました。
でも、消しゴムをキーに当てた程度ではサスティーンが伸びない。
「もっと圧力をかけなきゃいけないのか?」などいろいろと考えながらカリンバを触るうちに、以下のことに気付きます。
デスクにカリンバを置いた状態でキー上部を押さえても音の伸びは改善されない。
一方、カリンバを手で持ち、ボディ背面と表のキー上部とを挟むようにして押さえると音の伸びが長くなる。
ここで、キーに問題があるのではなく、木製ボディとピックアップ機械部分の接合部分の不具合が原因であることが分かりました。
ほかに検討した方法
カリンバの音色に問題がある場合の対処方法として、
・ボディと金属部品(押さえ棒)の接続部分のネジの緩みチェック
・キーの交換
などがあります。
YouTube動画でやり方を見てみましたが、余分なキーを持っていなかったのと、私には難易度が高いと感じたので、実践はしませんでした。
でも凝り性な人間なので、カリンバを一度ばらして組み立てるのをやってみたいなと思ったりしています。
カリンバの不具合の原因と改善策
音色を改善させるべく試行錯誤する中で、木製ボディとピックアップ機械の接合部分に不具合(接合具合が安定していない?)があることが分かりました。
原因がざっくりと把握できたところで、私が現在とっている改善策についてお話しします。
▶演奏する前に、ボディと機械部分が密着するよう軽く押さえる(圧着させる)
キーを押さえるとさらなる不具合につながりかねないので、キーには触れずにボディと機械部分を圧着させるように押さえます。
すると、しばらくの間は音色が改善します。
ただ時間が経つと元に戻るので、再度圧着してから演奏します。
1曲弾く分には、音色の状態は保たれています。
▶デスクやテーブル等に平行するよう、カリンバを浮かせて持って演奏する
圧着させると高音ソの音のサスティーンは改善するものの、それでも他の音よりやや短いです。
デスクやテーブルなど、音が反響してくれる場所で演奏すると、響きがかなり良くなるように感じます。
いずれにせよ、現状では根本的解決にはなっていません。
完全に解決させることは個人では難しいと思うので、付き合い方を模索しながらDUALカリンバを使っていきたいと思っています。
おわりに
今回、私が購入したDUALカリンバには、
・一部の音でサスティーン(響き)が伸びない。
・一部の音でビズ音(ビビリ音)がする
という不具合がありました。
その原因はDUALカリンバの木製ボディとピックアップ機械の接合部分の不具合(接合状態が安定していない様子)であることが分かりました。
そして、根本解決はできなかったものの、できるだけ響きを改善させて演奏する方法を見つけることができました。
不具合個体であると分かったときは手放すことも考えましたが、次に購入する個体が完璧な個体である保証はありません。
カリンバに限らず、電動ではない楽器は個体差があるものです。
私はクラリネットも演奏しますが、個体差がかなりあるので、購入時は試奏する人も多いです。
DUALカリンバは、ほどよいサスティ―ンと丸みのある素朴な音が魅力。
スミヤカさんのオクメカリンバが扱いやすく頻繁に使っていますが、音色で言うとDUALの方が好きです。
せっかくお迎えして、いろいろと試行錯誤したカリンバなので、大事に使っていきたいと思います。