キャリアや働き方を考えるうえで「自分を知る」「自己理解を深める」というのは重要なことです。
コロナ禍を経て「自分らしい働き方をしたい」「自分の価値を世の中のために活かしたい」と考える人が増えたという話も耳にします。
自己理解を深める一つの方法として、16タイプ診断(MBTI)やエニアグラムのように、性格によって人をいくつかのタイプに分類する診断テストがあります。
企業の人材育成等の場でも性格診断テストが活用されることがありますが、
「個の尊重」「多様性」といったキーワードが叫ばれるなかで、人間を分類することに懐疑的な方もいらっしゃるかもしれません。
タイプ診断や性格診断をよく見かけるけど、人の性格の分類タイプを知ることに意味はあるの?
私自身がタイプ診断を受けて考え方が好転したこと、そして、それをきっかけにエニアグラムについて学んだ経験を踏まえて、タイプ診断や性格診断テストを受けることのメリットと注意点についてお伝えしていきます。
タイプ診断を受ける3つのメリット
タイプ診断や性格診断テストを受けることのメリットは3つあります。
分類タイプの特徴から、自分が認識していなかった性質に気付ける
一般的にタイプ診断を受けると、タイプの特徴がいくつか書いてあります。
人間を完全に分類することはできませんから、あくまで「こういう傾向が強い・多い」という話であって、自分にはあてはまらない特徴も含まれていて当たり前です。
でも、タイプの特徴を見ることで「気づいていなかったけど、自分にはこの傾向があるかもしれない」と自分の気付いていなかった新たな一面を知ることができます。
自分の特徴や性質をより多く把握し、そしてそれを言語化して理解することで、「特徴や性質をどう活かしていくか」と考えることができます。
大事にすべき価値観や生きやすくなるヒントを知るきっかけになる
タイプ診断や性格診断テストを受けたら、「結果を読んで終わり」ではなくて、どう活かしていくか考えていきたいですね。
思考のクセや苦手なことに気付くことができれば、「よりストレスなく生きていくにはどうすればいいか」を考えるヒントになります。
新しいチャレンジに踏み出すのが不安になりがちな性質があると気付けたならば、自分の背中を押してくれる仲間を見つけるといいかもしれません。
注意力が散漫になりがちだという性質に気付いたなら、ダブルチェックできるような体制を整えましょう。
成果や成功を追い求めるタイプの女性は、出産後に家にこもりっきりだと強いストレスを感じてしまうかもしれません。
その場合は、隙間時間で勉強をしたり、オンラインコミュニティに入って人とのつながりをもつようにしたり、無理のない範囲で子育て以外のことを取り入れることで、気持ちが上向きに改善するでしょう。
他者への理解が深まり、受容的になれる
タイプ診断や性格診断テストを受けたら、ぜひ、ほかにどのようなタイプがあるのかもチェックしてみましょう。
自分とは違う価値観の存在に気付くはずです。
失敗が怖くてしっかり確認をしたいタイプの人は「ケアレスミスをしてしまう人が理解できない!」と思うかもしれません。
でも、悪気があるわけではなく、ケアレスミスをしがちな方はいます。
逆に、ケアレスミスをしがちなタイプの方は、確認に過度な時間をかけないぶん「行動のスピードが速い」という強みを持っていたりします。
「当たり前に自分がしていること」は、ほかの人にとっては当たり前ではありません。
当たり前ではないと気付くことができれば、相手をより理解して認めるきっかけになるとともに、自分がもっている緊張感やプレッシャーを緩めることにもつながります。
タイプ診断に潜むワナ
とはいえ、人は一人ひとり個性をもっており、完全に型にはめて分類することはできません。
自分のタイプを知ったからと言って、その結果に執着する必要はなく、自分をその型に押し込める必要もありません。
大切なのは、診断結果をヒントに自分がどうしていきたいのか考えることです。
他者に対しても、「この人はこのタイプだ」という決めつけをしてしまうのは危険です。
おおむねタイプの予想が当たっていたとしても、すべての特徴がその人にあてはまっているとは限りません。
強い思い込みを持って人と接してしまうと、予想したタイプとは違う側面が出てきたときに、コミュニケーションの擦れ違いが起こり、物事がうまく進まなくなる可能性があります。
タイプ診断は「ヒントの1つ」として捉える
タイプ診断は、あくまで一つの考え方・ヒントとして活用するということを忘れないようにしましょう。
タイプ診断や性格診断は、自分や他者を理解するのにとても有用なツールです。
診断して終わりではなく、
▶自分の強みをどう活かしていくか?
▶苦手をどう回避・改善していくか?
▶自分にはどういう働き方・生き方が向いているのか?
といった問いを立てて、ぜひ考える機会にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。